レイマン・コントロール 2015 3 1
惠隆之介氏が著書で指摘しているとおり、
日本の国防は、シビリアン・コントロール(文民統制)ではなく、
レイマン・コントロール(素人コントロール)になっていることです。
私は、過去に何度も指摘していますが、
日本エリートの弱点とは、軍事に疎いことです。
欧米エリートの場合は、
たとえ、平和主義者でも、ある程度、軍事の知識があるのです。
さらに加えるならば、
日本エリートの弱点とは、宗教に疎いことです。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教を知らなければ、
世界は見えないということです。
こうした軍事や宗教の知識の欠如に関しては、
日本の戦後教育の欠陥と言えるでしょう。
井の中の蛙大海を知らず。
正に、これは、日本の教育界に当てはまる言葉です。
さて、惠隆之介氏は、著書で、こう書いています。
かつて、海上自衛隊は、洋上で傍受した、
不審船と敵司令部との交信電波の解析内容を、
官邸に伝達しようと試みたことがあります。
ところが、当時の防衛庁長官は、
独断で却下したのです。
仮に、この件が、総理に達していれば、
拉致事件も、ある程度、抑止できたと、
悔やまれてなりません。
(引用、以上)
当時、政治家にとって、
防衛庁長官という地位は、人気がなく、
任期中は、無難に過ごして、
つまり「事なかれ主義」で過ごして、
大蔵大臣や通産大臣という人気ポストを得ようとしていました。
だから、「事」があっては困るわけで、
あくまでも「腰掛」ポストだから、
任期は、何事もなく終わる必要があったのです。
その結果、国民の生命・安全を守るという、
本来の仕事を遂行できなくなっていました。
国民の生命・安全を守るよりも、
自分の出世を優先させたのでしょう。
平和ボケをしている日本人は、
本当に「かごの中の鳥」です。
かごの中の鳥 2010 5 22
私たち日本人は、かごの中の鳥だったのです。
かごの中の鳥ならば、
かごの外が、どうなっているかを知る必要もなかったのです。
はたして、このままでよいのか。
もし、かごが破れたら、猛禽類が入り込むでしょう。
「米軍が見た自衛隊の実力」(北村 淳)から引用
極めて情けない話だが、
「海上自衛隊の艦艇がマラッカ海峡を通過する前に、
われわれがP-3を出して安全を確認している」という話を、
アメリカ海軍P-3部隊関係者から聞いたことがある。
いくらなんでも、そのようなことはないだろうと思っていたところ、
海上自衛隊のP-3C部隊関係者から、
「そのような事実もあった」という話を聞いた。
自国の軍隊すらアメリカ海軍によって護ってもらっているのでは、
アメリカ海軍に「われわれが日本のシーレーンをオープンにしている」と豪語されても仕方ない。